2012.06.15.金曜、曇り、

洋種のカタバミ

珍しく晴れた夕刻橋の上から

寒い木曜日。階下のテラスの、植木鉢等と一緒に置いてある数種類の肥料置き場。
そこを歩くと蛇がとぐろ巻いていたり、百足がガサゴソ歩いてないかとか、気にかかる陰気な場所があります。ふと見ると落ちた枝切れのさきにミミズではない黒い生き物が音もなく移動しているのです。ヒル!でした。75年すぐに
地上で逢うのは初めてです。死神の鎌を頭に付けてる様で何とも不気味です。
子供の頃は楊枝を突っ込んで手袋をひっくりかえす様にひっくり返して遊んだものだけど、今はとてもそんな事は出来ません。
牛乳瓶に入れてしばらく観察した後で瓶を竜巻状にして流しに流してちょっと心配が頭をもたげて来た。流しに上手に張り付いてホラー映画の様に流しから脱出して
肩から胸まで筋肉を集中して肉の塊にして、死神の鎌をつけた首をいっぱいに伸ばしてすぐに肩から胸まで筋肉を集めて又首を伸ばしてをくりかえしながらいつの間にか天井にたどり着いているのでした。このヒルというのは空気に触れて背中がバリバリに乾いてしまう事はないのです。僕が風呂に入って眠りにつく頃にはあの伸縮運動を繰り返しながら二階の天井を通って寝室の天井までちゃっかり忍び込む事が出来るのです。それからどうなると思いますか?真夜中に目を覚まして天井を見ると死神の鎌のヒルは音をたてずに頚静脈に飛び降りてすぐに血をすい始めるのです。僕は目をパチクリさせて恍惚の状態に・・・・
目を覚ますと布団のなかには干からびたヒルが一つ残されていました。
今でも流されたヒルが流しから顔を出しては居ないかとひとまわり見回しています。