’10.04.15.木曜、雨

 寒い。まるで世紀末の様な雨が降っている。
 この様な雨の中を学校に行くのがつらかった。それも素足で下駄を履いてだよ。学校は空襲で焼けてしまって、軍人が兵舎として使っていた屋根の形だけの三角兵舎と呼ばれる、角のひとは、立つと頭をごつんの狭い教室を使っていた。
雨の日の登校は、登山道を歩くような、人とすれ違えない凸凹の登り路で粘土質の土が下駄についてつるつる滑って濡れた足から外れてメソメソ泣きながら歩いていった。